無表情なコウモリは繊細カメレオン

説明などない。裏も表も縫い目は縫い目。

まっしろのペイパァ。

お友達が捕まった時、私は仕事が休みだった。

次の日の職場はその子の話で持ち切り。

 

あの子は金の亡者だからね。

ほら、クリスマスプレゼントで貰った物を「いくらになる」とか「たいした金にならない」とか言って。

お金に釣られて結婚してたこともあんのよ、あの子ったら。

だから捕まるようなことしてたって聞いても驚かないよね誰も。

 

私はその金の亡者がここでは標準的思考の持ち主なのを知っていたから黙っていた。

あの子のことを語る誰もがやってることで捕まっただろうに、そのことに気が付かない彼女らもまた、いつかそのうちの亡者なのであって。

 

 

私は違うけど。私は汚染されていないから違うけど。

私も彼女らの心の呟きと同じことを考えていた。

 

私はお金のためになんて考えたことがない。

私の頭のなかにはお金のことなんて少しも過ぎらない。

じゃあなぁに??私の頭の中を占める温度の低ぅいものの正体は??

 

ひとり、ふたりとお金が理由で(手に入れたのと失ったのと、二通りあったけれど)いなくなって、代わりに違う子が入ってきて、その子らもまた瞳に¥マークが書いてあるのよ。

最初そんなことなくても、最初そんなことなかった子ほど、全身隈なくお金お金と刺青を。いつの間にかではなく、目に見えて変化が起きるのだから。

 

 

みんなの真似してお金を持って、自由になった!って喜んだけどその紙をどうしたらいいのかわからなかった。

広告の裏のほうが、真っ白でお絵かきできるのに。

 

でも自由への切符だそうだから、お金を!お金を!もっとお金を!!!!

 

 

 

あのとき手にした紙の束は、今、感謝と申し訳なさの混じる気持ちで受け取るものと同一の物質で出来ていたのだろうか?

 

やっと人間(もしくはそれに近いもの)になれたのは私のほう。

 

 

ボンニュイ、ボンニュイ、良い夢を。