無表情なコウモリは繊細カメレオン

説明などない。裏も表も縫い目は縫い目。

アイ ワズ ア ガール ナウ。

私は夢の中で、靴を履いていない。

いつでも履いていない。

靴下は時によるけれど、靴は履いていたためしがない。

そしてそのまま、その日の夢のストーリーの色々をこなす。

夢の中の、これ以上ないほど暗くて汚いトイレにも裸足で入らなければならない。

 

子どもの頃、夢ではなく現実で、裸足で外を歩いていることがよくあった。

自分で靴をどこかに忘れてくることもあったけれど、学校から帰ろうとすると靴箱から私の靴が忽然と姿を消していることに気が付いて仕方がなく裸足で帰ることもあった。

そういう時の足の裏の感触は、みじめだった。

一歩一歩いちいち自分の足を見ながら家まで帰った。

そんなことがよくあるためか、私の靴下はよく破れた。

破れているだけではなく、洗濯しても落ちない泥汚れでどれもこれも灰色か茶色だった。

私は汚い子供だった。

 

大人になって、自分の靴は常に自分の管理下に、白い靴下は白い靴下であるように生活できるようになったというのに、夢の中では汚れた足のままだ。

 

「またそんな足で・・それで家にあがって来んといてちょうだい。あんたに靴はもう買わんからね。」

 

母の声がいつでも蘇る。

私、靴・・・大切にするから靴を履いて歩きたい。

 

 

 

 

おわり。